万人幸福の栞に学ぶ経営とまちづくり
講師紹介
ユタカ交通(和歌山市中島)代表取締役社長。2023年4月に立ち上げた、わかやま熱中小学校教頭。
盛和塾(塾長:稲盛和夫氏)を経て、倫理法人会の活動に参加。「企業に倫理を、職場に心を、家庭に愛を」をスローガンに倫理経営を学ぶ。ここに言う「倫理」とは、生きていくことの作法。
万人幸福の栞「倫理の17カ条」は、生活法則のエッセンスを標語にまとめたもの。
「倫理の17カ条」の「日々好日」について
一番目の「日々好日」の要諦は、「気付いた」らすぐやる、その時がその事を処理する絶好のチャンス、延ばせば次第に条件が悪くなる、すぐやることで変わってくることがある、生活が変わり人生が変わる。
「犬も歩けば棒にあたる」を代表例に、似たような標語が世界中にあって、幸福説(動いて良かった)と災難説(何もしない方が良かった)の双方から解釈されるが、新しいことをやることによってのみ、チャンスが生まれ得ることがわかる。
ここでの「気付き」とは、五感と同じ能力のひとつ。例えば違和感。日々の生活で違和感を感じたら、それを変えてゆくために即行動。(但し、我儘勝手な行動や無思慮な行動は、異常な行動にすぎない。また、今してはならないこと、落ち着いてからやることに気付くことも大事)。
違和感を感じ「気付く」ためには、「直感を磨く」。磨けば「直感」が、更に働くようになる。
早起きしたら一度きちんと起き出す。思ったことはすぐメモにとる。迷った場合は、できる理由を考えて実行する。無理難題には進んで取り組む。駄目と思ってもやってみることが大切。
「占い」や「理屈」ではない。モンティホール問題では、理論的には同じ確率なのに、選択を変えた方が当たる確率が2倍になる。確率論(数字)の世界にはない、勘所あるいは感性を磨く。
「占い」等には頼らず、論理的なことは論理のこととして聞き、「直感」を磨く。
「倫理の17カ条」の「苦難福門」について
二番目は、「苦難福門」。天が大きな仕事をくれたとポジティブ思考でとらえ、災いに直面した際には、自分的にしっかり見つめる。すべての苦しみは、希望を生み出すことに通じる。
日本の経営者は、今、足元のこと(インフレなど)や先々のこと(人口減など)といった社会的苦難に直面している。
ところが国力の劣る、例えば(サッカーを例に)アルゼンチンの人々は、幸福感では、先進国の人々と比べて果たしてどうなのだろうか。私たち日本人は、どういう幸福を目指すのかという議論をしていないし、出来ていない。
豊田先生の会社では、このように「倫理」を「暮らし道」として、「明朗・愛知・喜働」の実践を根本に、明るく楽しい職場づくりを推進しており、見違えるように効果が出てきている。
豊田先生、丁寧な授業をどうもありがとうございました。
(授業レポート:読書部 小林一行)
コメント