アーム株式会社代表取締役社長 内海弦先生 授業レポート
2月4日の授業、2時間目は内海弦先生でした。
全般を通じて感じたのは「人生を楽しまれている」ということです。
大学時代はバイクツーリングを楽しまれ、和歌山の高野龍神スカイラインまで仲間と走りに来られたそうです。プログラミングのアルバイトをしていたこともあり、卒業後は当時まだ無名のインテルに入社されました。周囲の人にはぺんてると間違われたとのことですが、今では「インテル入ってる」のフレーズは誰でも聞いたことがありますよね。
今回の授業内容では外資系企業の内幕と、生涯の趣味と公言されている鉄道模型のジオラマについて伺いました。前日にはかつらぎ熱中小学校のメンバーと高野山森林鉄道跡を散策され、とても楽しまれたようです。
以下、授業の要約です。
① 外資系企業とは
〇実力主義、年功序列なし
上司と部下がいつ逆になるかわからないので、「さん」づけで呼ぶ。
査定はコミットメント(やることを自分で決めて)&リザルト(結果)で判断される。
定量的に評価され、「がんばりました」だけでは通用しない。
〇待遇
給料は年棒制、自由な勤務時間と勤務形態、海外出張多数
転職することにより年収アップを目指すことが当たり前とされているため、10年も同じ会社にいたなら驚かれる。
持ち株制度による資産増が見込める。
突然の解雇は普通にあり得る(入社時に誓約書を書く)
退職金はなし。生涯年収は日本の企業と比べて多いとは言えないかも。
〇その他
本社勤務が出世の王道
TOEIC 850点以上必要
海外の本社社員が日本に出張してきた時にはさまざまな接待の要望があり、それに合わせるのが大変
日本→インド→英国とEU→アメリカ、とすべてに業務対応していると、時差のため24時間勤務となってしまう。
② 半導体とは
一瞬、回路のような図面を見せていただきましたが、説明が難解すぎるとのこと、すぐ次の話題に移りました。
質問のコーナーでお答えされていましたが、半導体ができたので電化製品が小さく軽く省電力になったようです。テレビも箱型から薄くなって壁掛けできるようになってきたのは半導体のおかげなのでしょうね。
③ 鉄道模型について
〇内海先生はプラモデル、工作、鉄道が好きな子どもだった
鉄道模型にもさまざまな種類があります。
Nゲージ 線路幅 9.0mm 縮尺1/150
HOゲージ 〃 16.5mm 縮尺1/80
内海先生が製作されているジオラマは、本格的なHOゲージ。
〇現在、高畠熱中小学校にて大規模な鉄道模型のジオラマを製作中
ジオラマには手作りの木を1万本植えており、針葉樹や広葉樹の作り分けがされています。手作りの羊や牛、さまざまな建物、もちろん線路も手作り。丘や川など地形は変化に富んでいて、その製作過程も見せていただきました。よく見てみると、駅には人間も立っていました。
ジオラマはYouTubeにアップされています。びっくりするほど精巧なので、ぜひご覧ください。
高畠熱中小学校では誰もが楽しめるように、別室に子供向けのNゲージのジオラマも作っています。
本格的なHOゲージのジオラマは2022年9月に仮開通し、本開通は2030年になる予定。しかし、レイアウト建設には明確な終わりがないため、生涯の趣味になりそうだということです。
④ 質疑応答
〇英語はインテルに入ってから勉強
仕事が楽しかったので、もっと楽しくするには英語が必要だった。
英語は会話から入らず、まず書けることが大事。書けるということはきちんと頭で考えられているということなので、それを口に出して発音すれば話せる。
留学は目的を持ってすること。
〇仕事で楽しかったこと
未知との遭遇。ものづくり。
〇終身雇用と年功序列について
これを維持していると国際的な価格競争には勝てないので、日本の家電、PC産業が衰退した一因なのでは。終身雇用と年功序列を維持したまま、現在も採算が取れているのは自動車産業くらいかもしれない。
以上、厳しい外資系の中で仕事を楽しむことを実行され、私生活でも鉄道模型を生涯の趣味として楽しまれている内海先生の講義でした。
(授業レポート 読書部 小川浩史)
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