紀州かつらぎ熱中小学校6月1日2時間目の授業は、ユーチューバーのガンプ鈴木先生でした。
人生の挫折と旅への目覚め
ガンプ鈴木先生は小学生の頃、Jリーグの試合を見たことをきっかけにして、大学までサッカーを全力で頑張っていましたが、怪我などもあり挫折してしまいました。
これまでずっとサッカー漬けの生活だったこともあり、サッカーがなくなると自分に何も残らないという状態でしたが、勇気を出してお母さんにサッカーを辞める相談をしました。
お母さんからは、
「どうせ辞めるんやったらブラジル行ってみたら?」
という思いがけない言葉が返ってきたことから、最後に大きなチャレンジをしてみようと一人でブラジルに渡り、現地のサッカーチームに入りました。
そんなブラジルでの生活で、海外旅行の魅力に目覚め、大学卒業後はバックパッカーとして世界を旅しました。
人力車での世界一周の旅
東京で人力車を引いていた頃、ガンプ先生は彼女と世界一周するためにお金を貯めていましたが、お金と共に彼女が消えてしまい、何もかもなくなってしまいました。
それがきっかけで人力車での世界一周の旅に出ることを決意。仲間と一緒に浅草を出発し、中国、東南アジア、インドなどを1年かけて、人力車で走破しました。
その後、再び仲間と共に人力車を引きながら、ヨーロッパ、オーストラリアを旅し、アメリカには単独で挑戦することになりました。
「Just for Fun」との出会い
アメリカ横断の旅は初めての単独挑戦だったので、これまでのように少しずつ交代して走ったり、坂道で人力車の後ろを押してもらうこともできず、ガンプ先生はかなりネガティブになってしまっていました。
人生で2度目の挫折をしかけた時、人力車を引いていた道路脇で「and Just for Fun」という看板と出会い、初めて「Just for Fun」という言葉を知りました。
その後、次の街でギターを弾くおじさんからも同じ言葉を聞き、自分が「楽しむこと」をすっかり忘れてしまっていることに気付きました。
この言葉に励まされ、もう一度、走ることを楽しもうと決意したところ、コロナウイルスのためアメリカ横断は中止に。心を残しながらも帰国せざるを得ませんでした。
熱中小学校との出会いと日本縦断への挑戦
日本に帰ってからはコロナの流行のため自由に外出できなかったので、これまでの旅の中での人との出会いなどをまとめたSNS投稿に精を出すことに。
これらの動画がたくさん再生され、応援してくれる人も増え、旅を通じて「Just for Fun」を伝える活動をしたいと思うようになり、ガンプ先生は会社を立ち上げました。
そんな中、熱中小学校理事の堀田さんと出会い、
「3日に1回PCR検査をできる環境を整えるから、全国各地の熱中小学校を人力車で回ってくれないか」
と持ちかけられて快諾。
ガンプ先生は北海道の帯広から沖縄まで、約3000kmを走り切ったのです。
アメリカ横断リベンジ
2022年にやっと海外渡航ができるようになり、ガンプ先生はアメリカ横断のリベンジをすることになりました。ニューヨークからロサンゼルスまで約5000kmを走るドキュメンタリー映画も制作することに。
多くの方々からの支援のもと、自分を挫折から救ってくれた「and Just for Fun」の看板を再び訪ね、ギターのおじさんにも再会し、無事にアメリカ横断を達成することができました。
「Just fo Fun」を伝える活動
ガンプ鈴木先生は最後に、
「何かしているときは、絶対に辛いことが起きる。苦しい時間が来る。でも、なぜそれをしようしたのかというきっかけや、「ちょっとやってみようかな」、「楽しいからやってみる」という気持ちを思い返してほしい。「Just for Fun」の言葉を通して、楽しむことの大切さを伝えていきたい」
と話してくれました。
ガンプ鈴木先生、明るくパワフルな授業をありがとうございました。
(授業レポート:大家啓徳)
コメント